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2013年11月16日土曜日

「言葉掛け」について

平成24年6月1日

2号館建築の後、1号館の改修工事が入りなかなかコラムの更新が出来ませんでしたが工事も一段落付いたので改めて書いてみたいと思います。保育の技術の一つに「言葉掛け」(「声掛け」という言い方をする場合もあります。)というものがあります。保育をする上でとても大切な技術の一つですがこれを説明すると大変難しくなります。なぜなら起こっている事象の内容と重要度、対象児の年齢、月齢、性別などの要因で大きく変わっていくからです。それに加えタイミングによって大きく左右されただの会話で終わってしまうケースも少なくありません。

私が大学の教壇に立っているときにこの重要性を学生にどのように教授するかで相当悩みました。現役の大学教員も私と同じように相当悩まれていると思います。大学講義という限られた環境と時間の中でその重要性を教えること、ましてや技術を十分習得させることはもはや不可能であるからです。そんな中で私の取った方法は、まず学生に「今まで生きてきて嬉しかったことを10個書き出しなさい。」と課題を与えそれを分析させました。つまり、その10個の嬉しかったことの中に必ず「○○さんから○△○△と言ってもらえた。」といったものがどの学生にも一つは含まれるからです。次に「なぜ今でもその言葉を覚えているのか」という段階に進みますと多くの学生は「自分が苦しかったときに言ってもらえたから」「自分が嬉しかったときに言ってもらえたから」等と分析します。つまり行き着くところはタイミングです。このタイミングとは言われる側の心理状況を中心とした状況におけるタイミングです。相手の状況により的確なタイミングで言葉掛けするのは技術です。しかもほとんどのケースにおいて、この言葉はとても短い端的なものであるということも分かっています。

この「言葉掛け」は大人にも適用されます。最近の私の経験から言うと今年になって「びわ湖一周ロングライド2012」「2012比叡山ヒルクライム大会」という自転車のイベント(レース)に出場しました。前回、前々回の独り言にも書きましたが、私の身体は一般の人とは違うので他の人がさほど苦も無く出来ることでも大変な困難と努力が伴います。この最中で沿道の方から「ガンバレ!」「もう少し!」「自分のペースで!」などの声援を沢山受けました。当然私はアスリートではないので今まで声援を送ったことはありますが自分が何かスポーツをしているときに声援を送られたことは未だかつて一度も有りません。これほど声援が嬉しく心に残るとは思ってもみませんでした。今でも声援を送ってくださった方々の場所や顔もはっきり覚えています。これも声掛けの一つでありその重要性を再確認できる場となりました。子どもの心に残る声掛けをこれからも大切にしていきたいと考えています。