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2013年11月16日土曜日

「退行現象」について

平成22年6月25日

○退行現象(赤ちゃん帰り)

核家族化が進んだせいでしょうか最近良く退行現象のことを耳にするようになりました。今回は退行現象について書いてみたいと思います。第二子、第三子が生まれると、その上の子どもに退行現象(赤ちゃん帰り)という行動が出ることが多々あります。それまで独り占めしていた周りの愛情を取られてしまうなどといった気持ちから起こるものと考えられます。実際の行動で見るとおねしょをするようになったり、保育園や幼稚園へ行くことを極端に嫌がったりします。年齢が小さいと泣いて暴れることが主たる行動ですが、年齢が高くなると「鬼が出るから保育園へ行きたくない」等といった発言を伴うようになります。これは、嘘ではなく一種の防衛本能(行動)ですがより年齢が上がると「○○先生が叩く」「○○ちゃんが意地悪をする」などといったより具体的な内容に変わります。内容が具体的なだけにそれを信じてしまう大人も多くいるのではないでしょうか。この退行現象が出たときの対応については、

1、今まで以上に上の子どもに時間をかける。

2、子どもとの会話の中で、自分がお兄ちゃん、お姉ちゃんになったことを自覚させる。

3、弟、妹のお世話を親と一緒にさせる。

等といった方法があります。適切な処理を怠ってしまうと自分の弟、妹ではなく邪魔者と認識してしまう場合があるので特に大きな注意が必要です。又、退行現象は大人にも見られる場合もあります。

 ○新たな退行現象

これに加え、「新たな退行現象」もあります。お父さん、お母さんどちらであっても再婚された場合、上記のような退行現象が起こる場合があります。過去にこの件について相談を受けたことがありますが、当時3歳児の男の子が母親の再婚をきっかけに「新たな退行現象」が出ました。具体的には園内で極端に手が掛かるようになったそうです。良く状況を聞いてみると特に生活行動(給食、着替える、手を洗う、トイレに行く、午睡をするなど)に関わる部分で少しでも気に入らないことがあると友達とトラブルを起こしたりすることが分かりました。保育園では一人で複数の子供を見ているわけですから、ある特定の子供のみに多くの時間を割くことはできません。この対策として、生活行動のみに限定し、少しの間でもその子供と二人きりになり一緒に行動する(食事の前に一緒に手を洗うなど)時間を作るようアドバイスしました。家庭との連携はもとよりこれらの援助を行うことにより少しずつですが改善されて行きました。

○逆退行現象


 このようなケースとは逆に、再婚をきっかけに赤ちゃん帰りとは逆の行動、つまり自分は大人であると言わんばかりの行動を起こす場合もあります。当時5歳児の女の子は父親の再婚をきっかけとして大人が行う行動をし始めました。具体的には、必要時以外に乳児の着替えを手伝ったり、乳児が嫌がっているのに無理に絵本の読み聞かせをしようとしたり遊んだりなどの行動です。この場合注意しなければならないのは、これらの行動が、イコールお手伝いと解釈してしまうことです。しかし、これらは先生のお手伝いや乳児に対する思いやりをベースにした行動ではないということです。見分け方はその子ども自身が同じ行動が出来ているかどうかということです。この状況で、自分はまだ子供であると言うことを自覚させることに重点を置く指導を行いました。これら一連の行動を「逆退行現象」と呼ぶようにしています。